『あなたは教会を支える覚悟が出来ているか?』
竹内誠(元関東地区主事)
学生であるあなたが出席している教会には、若者は多く居るだろうか。この問いへの返答は皆さんがどういった地域に住んでいるかによっても多少変わってくるであろうが、総じて日本の教会は「若者不足」という深刻な悩みを抱えている。高齢化社会の波はウィークデイよりも日曜日のほうが大きく感じる。そしてその波が足元にまで及んでいることに、あなたは気付いているだろうか。
現実的な問題として、これからの教会財政は今以上に逼迫していくだろう。教会の規模にもよるが、一教会が一人の牧師を支えることも経済的に困難となる。無牧教会は現在多く存在するが、更にそういった教会は増える可能性は高い。それに加えて現在日本の教会の教職者は50〜60歳代がかなりの割合を占めている。そういった方々が牧会されるのは、長く見てもこれから先10〜20年であろう。そして現在、若い直接献身者は減退傾向にある。さらに今後、社会の歪みから来る教会へのニーズ(例えば介護施設、フリースクール、etc・・・)は多様化していくであろう。なによりも若者が居ないということは、信仰を継承する対象が居ないということである。クリスチャンホームが生まれず、信仰の継承も為されない。それは信仰の共同体の存続危機を意味している。
あなたが送っている学生生活2年間ないし4年間(或いはそれ以上)とは、あなたが考えている以上に、人生に決定的な意味を持つ期間なのではないだろうか。それは求道者も同様である。職業や結婚等の、人生にとって大きな事柄に関して未決定性を有したこの期間、何に触れるか、何に身を置くかに、あなたの将来は大きく依存している。そして教会の行方も。
学生伝道の働きの真価は、毎年の回心者数だけでなく、15年〜20年後、地域教会、神学校、宣教団体、家庭、社会で見られるよい働きによってはかられるものであると言われる。あなたはそういった視野をもって、KGK運動を担っているだろうか。教会の将来に思いを馳せつつ、今日自分が為すべきことを模索しているだろうか。「いつか」という漠然とした未来にではなく、「今」教会を担って頂きたい。なぜならキリストを救い主と信じた時からあなたは教会の一員であるからである。
「年が若いからといって、だれにも軽く見られないようにしなさい。かえって、ことばにも、態度にも、愛にも、信仰にも、純潔にも信者の模範になりなさい。」Tテモテ4:12